先日の「骨取りさんま」から引き続き、『ファストフィッシュ』なるモノについて、
いろいろ述べていきたいと思います。
まず、『ファストフィッシュ』という名称ですが、こういった安易なネーミングこそ
『官』による安易な「食」への取り組み姿勢を表現しているように思います。
前にも述べましたように、これらの商品のターゲットは、魚離れが進んでいる
(といわれる)若い世代、特に若い主婦層をメインにしていると思われますが、
子供を産み、育てていく可能性のある(または今、実際に育てている)人たちに
対して、魚を食することの大切さを知ってもらうには、全く正反対な言葉だと
言うことです。
魚というのは、頭があって尾があって、真ん中には背骨、その周囲にも骨が
あり、腹わたや卵(白子)などもあり、「食べるのには、なかなか骨が折れる」
もの、ちゃんと箸を使わなければ、きれいには食べられない食材であるという
ことを、まず子供たちにはキチンと認識してもらいたいと思うのです。
かく言う私も、子どもの頃はよくイワシを丸ごと煮付けたオカズがよく食卓に
のぼったせいで、(嫌いな)わたと頭を取り、背骨から身をはずしていく作業は
面倒で面倒でしかたがなく、「明日は肉がいいな」といつも思っていたものです。
でもおかげで、箸も人並みには使えるようになり、魚の味も種類も食べかたも
わかるようになったと思います。
他方、魚を獲っている側の漁業関係者の皆さんも、「ちゃんと魚を理解して
食べてほしい」と考えていることだと思いますが、そういった思いもどこかで
外れてしまっている。「若い人たちに食べてほしい」という思いが、どこかで
(というより誰かによって)ねじ曲げられてしまっている・・・そんな推測をしたく
なるのです。
『ファストフード』といえば、貧困大国アメリカの、何も考えないでただ安易な
食に向き合っている人たちの食文化を代表する言葉であることは、ちゃんとした
大人ならば、もはや常識の範疇であると思いますが、それに類するネーミング
をつけてしまうという感覚は、かなり疑われても仕方のないものだと思います。
まあ、広告代理店のクリエイターと自称する人たちが、安易な”ノリ”でつけた
ネーミングなのかもしれませんが・・・。
(といいながら、私もネーミングだのターゲットだの、安易な言葉を使ってはいる
のですが・・・)
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