今年も残すところ10日あまり。世間ではクリスマス関係の広告や話題の中で、

最後の追い込み(?)をかけているかのような「おせち料理」の広告も目にします。

一段から三段くらいまでのお重に、色彩々の料理が詰められた写真は、眺めて

いるだけで華やいだ気持ちにさせてくれるものですが、一方で、昨年の頭に話題に

なった「スカスカおせち」事件も、その衝撃が大きかっただけに、マイナスイメージ

の代表格として思い起こされます。

ところで、「お節料理の代表格は?」と聞かれたら、皆さんはどう答えるでしょうか?

私なら迷わず「黒豆」と答えますが、その理由は、ほとんどお正月にしか口にしない

ものだからです。他の、例えば昆布巻きや伊達巻きの類は、他の時期にも食す

機会があるからです。もちろんそれほど多くはないのですが。

ところで、かの紀文食品が、今年のお正月明けにしたおせちに関する調査「首都圏

の主婦の意識調査2012」によれば、料理別「おせち料理の用意率と購入率」合計

の第1位は「蒲鉾」とのことでした。少しうがった見方をしますと、「メーカー調査なの

でバイアスがかかっているのかなぁ?」と思えなくもないのですが、個人的には、

「蒲鉾」のないおせちは受け入れられますが、「黒豆」のないおせちは考えらないの

です。たぶん、それだけスペシャルな「食」、普段は食べられない料理として捉えて

いるせいなのかもしれません。ちなみに同調査結果では、第2位が「黒豆」、第3位

が「お雑煮」、以下「伊達巻き」「きんとん」「数の子」「昆布巻」・・・と続きます。

話は変わりますが、紀文食品といえば、当研究所所長の若山博士が以前、勤めら

れていた企業でもあります。博士は、紀文食品での在職中に、バイオ研究の方に

進まれたとのことですが、そういう意味でも、単に蒲鉾やはんぺんを作っているだけ

の企業ではなく、「食」に対して先進的な取り組みをされているメーカーであることが

うかがい知ることができます。

ちなみに私も、この世界に入った最初の頃、紀文食品のSPツール制作のお手伝い

をさせていただいていました。ちょうど、「豆乳」が爆発的にヒットした時期で、当時、

もちろん博士との交流はまだなかったのですが、たまに銀座の本社にもうかがって

いましたので、ニアミスをしていた可能性はあります。

話を戻しますが、上記調査によれば、「おせち料理を食べた」という人は95.9%にも

達しているようです。主婦対象の調査なので、高い数値になるのはもっともだと思い

ますが、伝統的な「食文化」に向き合うのにとても良い機会だと思いますので、

「おせち」、大切にしていきたいですよね。

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