昨日(11月3日)は、“山ヌーボー”と呼ばれる国産ワインの解禁日でした。

“山ヌーボー”と言われてもピンとくる人はまだ少ないかもしれませんが、

日本が誇る“甲州種ワイン”と言われればお分かりになる方も多いと思います。

その甲州種の白と、こちらも日本固有のマスカットベーリーA種で作った赤の

2種のワインを“山ヌーボー”と名付け、解禁日を設定しているのです。

もちろんこれは、かの”ボジョレーヌーボー”にちなんだ(というよりも対抗した?)

ものだと思いますが、毎年その日には日比谷公園で「山梨ヌーボーまつり」

が開催され、多くのワイン愛好家が集まります。(今年は本日4日も開催)

「山梨ヌーボーまつり」について、詳しくはコチラをどうぞ。

私も数年前に一度足を運んだことがありますが、その賑わい方は半端でなく、

目的のワインを試飲するまでには行列に並び、専用グラスに注いでもらうなり

その場でぐいっと飲み干しては、ボトルを買うか買わないかの判断をし、また

次の列に並ぶという、酔う暇もない、かなりハードなイベントでした。(笑)

噂によればそのハードさ(?)は年々加速している様子で、それもこれも山梨

ワイン人気(特に甲州種ワイン人気)の高まりを象徴しているのだと思います。

ところで、ワイン祭りの元祖とも言える”ボジョレーヌーボー”の解禁日の方は、

今年は11月15日(木)。すでに空港に到着したとのニュースが先日流れて

いましたが、今年は天候が不順で生産量も多くなかったにもかかわらず、

日本への輸出量は変わらず、いかに”ボジョレーヌーボー”の消費が世界一

の国である(!)日本マーケットを重視しているか、の現れであるということだ

そうです。

まぁ、「お祭り」だと割り切れば良いのかもしれませんが、私個人としては、

”ボジョレー”よりも、イタリア産の新酒を楽しむことができる“ノベッロ”の方が

興味がありますけれど、その“ノベッロ”の解禁日が今年は10月30日になった

(これまでは11月6日)と聞いて、どうもその両方の背後には『初モノ好き』の

日本人をもっと躍らせてやろうという意図が見え隠れしているような気がする

のですが・・・

『初モノ』といえば、まっ先に思い浮かぶのが初ガツオで、これら『初モノ』を

食べると75日寿命が延びると信じていたかどうかは別として、江戸っ子は

とにかく『初モノ』が好きだったようで、初ガツオなどは3両、今でいうところの

20万円近い値をつけたというエピソードもあったようです。

ですから、“ボジョレー”で踊らされ、“ノベッロ”はまだそれほど知名度が無いの

かもしれませんが、”山梨ヌーボー”でも踊ってしまう~(?)という人は、その

江戸っ子気質(かたぎ)を脈々と受け継いでいる人かもしれません。

・・・かくいう私は、ボジョレーは(たぶん)2本くらい家で味見をして、“ノベッロ”は

どこかでチャンスがあれば試飲してお気に入りを1本だけ買い、甲州種ワインは

特に踊らされることもなく、行きつけのお店でいつものように飲ませていただく

だけにしたいと思います。(笑)