宮崎の居酒屋で食べる「宮崎牛のトマト鍋」。
惜しげも無く入れられるトマトと宮崎牛が、
すき焼きベースの味付けのダシ汁で、煮込まれる。
 
煮込んでいくと、牛肉の豊かな旨みと
トマトの大地からの旨みと酸味が、
甘辛い出汁に溶け込んでいくのが見た目で解る。
 
口にすれば、上品な酸味の効いたすき焼き・・。
寒い冬に、文字通り、心も体も温まっていく。
 
(1月20日 若山博士Facebook投稿より)
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1月20日に大寒を迎え、寒さが身にしみる今日この頃。
こんな時こそ、温かい鍋を食べて、身体の内側から
温まりたいですよね!
 
今回博士の食べたトマト鍋。最近ではよく見かけるように
なりましたが、鍋料理としてはちょっと変わっていますよね。
今回はそんなちょっと変わったご当地鍋をご紹介したいと思います。
 
まずは、奈良県のご当地鍋、「飛鳥鍋」です。
スープは鶏ガラベースに白味噌を加えた出汁に牛乳を入れたもの。
具材はシンプルで、鶏もも肉やニンジン白菜、しいたけ、ささがき
ゴボウ、大根、豆腐など、一般的な鍋とほとんど同じです。更に、
食べる際に、ショウガ、一味唐辛子などの薬味を加え、溶きにつけて
いただきます。もともとは、飛鳥時代に唐から来た渡来人の僧侶が、
寒さをしのぐためにヤギの乳で鍋料理を作ったもので、とても歴史の
ある鍋料理です。奈良の歴史を感じながら、上品にいただきたいですね。
 
次は、広島県の西条のご当地鍋、「美酒鍋(びしゅなべ、びしょなべ)」。
銘醸地のひとつ東広島市西条の郷土料理です。まず、豚肉鶏肉
砂ずりといったお肉をはじめ、こんにゃくや厚揚げ、ピーマン白菜など
たくさんの具材を炒めます。そして、塩や胡椒で味付けしたら、清酒を
たっぷり入れて煮込みます。美酒鍋にはたっぷりのお酒を使いますが、
調理する過程でアルコール分は飛んで、お酒の旨味だけが残るので、
お酒が飲めない方はもちろん、子どもでも安心して楽しむことができます。
シンプルながらも奥深い味わいを、家族皆で味わってみては?
 
最後は、山口県周防市のご当地鍋、「みかん鍋」です。
こちらは、冬の風物詩である鍋に、これまた冬の風物詩であるみかんを
入れた、何ともユニークな鍋です!スープはかつおだしに淡口醤油
加えたシンプルなもの。具材も魚のすり身や、新鮮な魚介類、豆腐、
白菜など普通のお鍋と同じです。ただ、そこに、みかんの皮や、
みかんを丸ごと入れて煮込むのです。そして、食べる際に、みかんと
青唐辛子で出来たみかん胡椒をつけていただくと美味しさ倍増なんだそう。
またこちらのお鍋、シメが特徴的です。鍋の残りのスープにご飯を
入れた後、ふわふわのメレンゲをのせ、更にその上からの黄身を流し、
中心にネギを散らします。そうすると、まるでみかんのような可愛らしい
見た目に!最後まで、みかんを楽しみながら食べられる、周防の人々の
アイデアが詰まったお鍋、食べてみたいですね。
 
今回ご紹介したお鍋は、ちょっと変わってはいますが、材料はいたって
シンプル。お家で試しに作って食べてみて、ちょっとした旅行気分を
味わうのもいいかもしれませんね。